黄昏の港にこうこうと明かりを灯す巨大なプラント。静かな波間に光のラインを引く。
愛知県半田市の「半田バイオマス発電所」。平成29年に運転を開始した、国内最大級のバイオマス発電所だ。
バイオマスは、化石燃料を除く動植物由来の生物資源。成長過程で二酸化炭素(CO2)を吸収しているため、燃やしてもCO2の排出はゼロとされる「カーボンニュートラル」に分類されている。SDGs(持続可能な開発目標)実現への機運が高まるなか、化石燃料に代わる脱炭素エネルギーとして注目され、国内でも発電所が増えている。
同発電所では、間伐材を砕いた木質チップやパームヤシの殻などが燃料だ。最大出力は7万5千キロワットで、年間約15万世帯分の電力を生み出している。
太陽光発電などと比べ天候に左右されず、国内では間伐材の調達が林業の活性化につながることもメリットだという。
課題もある。その一つはコストだ。燃料に輸送費が掛かるほか、価格も需要に左右される。特に昨年はコロナ禍で米国での住宅建設が増加し、木材価格の高騰に直面した。
そんなバイオマス発電所が、いま工場夜景ファンから熱視線を浴びている。新設のプラントが多いことや、照らし出される配管のメタリックな質感が魅力だという。同発電所は省エネのため、照明に昼光色のLEDライトを使っている。運営するサミット半田パワーの大場渉社長は「あくまで現場での視認性や安全性を考えた、夜間の保守点検用の光」と話すが、夜間に白く輝く姿がSNSで話題となった。
バイオマス発電所が放つまばゆい光は、多くの課題が立ちはだかるエネルギー問題の未来をどこまで明るく照らせるだろうか。

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