国内2例目のオミクロン株が確認される中、3回目のワクチン接種の“前倒し”の検討がようやく行われることに。なぜ議論はこれまで進まなかったのか。またオミクロン株にどう対応していくべきなのか。政府の分科会メンバーに聞きます。
小川彩佳キャスター:
まず“3回目接種の前倒し”については政府は12月1日午後になって「検討するものと承知している」と表明しました。どれだけこの議論が政府内で行われてきたのかどうか、そもそも3回目接種の前倒しについては、政府から分科会に何か報告などこれまで来てましたか?
政府分科会メンバー 慶応義塾大学 小林慶一郎教授:
いや、これはまだ特になかったです。どちらかというと、政府の対応がのんびりしていたということだと思います。問題は「供給量が年内足りないだろう」ということです。高齢者施設とか医療従事者に対しては接種できますが、一般の高齢者がやってくるとちょっと全部は対応しきれないと。これは(2回目を終えてから)8か月での接種ということを前提に交渉してしまったので、それで年内の供給量が足りない。これはやはり政府が、例えば総理がトップ交渉して年内の供給量を増やしてもらうというような取り組みをやるべき時期ではないかと思います。
■「許される判断ではない」
小川キャスター:
各国、“間隔の短縮”“前倒し”という方向に進んでいますからね。供給量以外に何かネックになっていることはあるんでしょうか?
小林教授:
自治体の間で「準備ができているところ」と「できていないところが」あって、その間で平等にしようとすると「準備ができてないところに合わせて遅いタイミングで接種をしよう」という話になってしまうわけです。これは極めて問題のある判断だと思いますし、やはり国民の命をリスクにさらしながら、自治体の間の平等を図るというのは、これはとても許される判断ではないのではないかと思います。
■“ワクチンの効果が継続していること”が経済正常化の前提条件
小川キャスター:
現状3回目接種のスケジュールがどうなっているのか確認します。
▼医療従事者 12月1日から
▼65歳以上 2022年1月以降
▼64歳以下 2022年3月頃から
国山ハセンキャスター:
現状、3回目の接種というのは、2回目を終えてから8か月後以降となっています。医療関係者においては12月1日から始まりました。5月から2回目の接種が始まった65歳以上の高齢者の3回目接種というのは、来年1月以降。それ以外の一般の方の3回目というのは、来年3月頃から予定されているということなんですが、小林さん、3回目接種のスケジュールに関してはいかがでしょうか?
小林教授:
やはり6か月ぐらい経ってくるとワクチンの効果が、だんだん落ちてくるということです。そうすると、8か月目から3回目接種が始まるとすると、2か月ほど間が空いてしまう。その間が空いてる中で、例えば高齢者がたくさん感染をして重症化する、あるいは死亡するということになれば、もう大変なことになります。手遅れです。そうならないようにしなければいけないということだと思います。
ワクチンの効果がちゃんと継続しているということが、社会を回して経済を正常化していくことの前提条件になってたわけですから、そこを忘れないようにしないといけないと思います。
■「オミクロン株」国内2例目確認 今後の水際対策・議論のポイントは?
小川キャスター:
議論を加速させるのが日本でも2例目が確認されたオミクロン株です。12月1日に国は「日本に到着する国際便の新たな予約の一旦停止」を要請しました。また新たな水際対策となっているわけですが、この水際対策、経済的な観点も含めて小林さんどのように受け止めますか?
小林教授:
経済的にはデメリットはあると思いますけれども、オミクロン株の性質がわかるまでの当面の3、4週間の間は、最悪の事態を想定しながら対応しなければいけない。そうであれば、最大限の水際対策を打つべきだと思います。そういう意味ではこの今回の判断というのは正しかったと思います。
ただこれだけではなくて、例えば日本人の帰国者。今は自宅待機14日間となってますが、自宅ではなくて「施設隔離」という形で、10日間ぐらいしっかり隔離するということが、日本人の帰国者に対しても必要になってくると思います。
小川キャスター:
まずは広がっていくことがないように抑えていくというところだと思いますが、今後政府分科会ではどのような議論を行っていきたいとお考えですか?
小林教授:
オミクロン株については情報がないので、これから収集して議論していくということだと思います。これは分科会というよりも、もっと政府全体ということですが、感染が広がって医療がひっ迫するような事態になれば、また経済を止めて緊急事態宣言ということになります。
いま我々は55兆円の経済対策をやって経済を正常化しようとしているのに、それはもう、全く「水の泡」になるのです。ですから「オミクロン株に対する水際対策を強化すること」、「3回目の接種をしっかり早いタイミングでやって間隔が空かないようにすること」。この二つは非常に重要だと思います。
小川キャスター:
そのためにも情報をどんどん出していくというところも重要になってきますね。
小林教授:
そうですね。医療ひっ迫についての情報を国民の皆さんに提供して、国民の皆さんが行動変容を自発的に変わるようにする。
実際、2021年秋のタイミングで、8月から9月までの感染の急減は、そういう情報公開によって起きたというふうに言われておりますので、その教訓を参考にして、これから第6波が来たときに備えていくということが必要だと思います。(01日23:22)

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