古文の助動詞は、簡単です。丸暗記も語呂合わせも不要です。
 助動詞「べし」の基本的意味は、「当然・自信・高確率」。すごく簡単です。

(1)「試合に勝つ-べし」、(2)「彼は行く-べし」、(3)「空を飛ぶ-べし」の3つの文が分かれば大丈夫です。

(1)「この試合に勝つべし」なら、現代日本語でも意味はよく分かります。
「私は絶対勝つ!(=意志)」
「我々は一緒に勝とうぜ!(=勧誘)」
「キミは必ず勝て!(=命令)」
など色々な意味になりますが、「べし」の基本的意味はみな同じで、「当然・自信・高確率」です。

(2)「彼は行くべし」は、
「彼は行くのが当然(=当然)」
「彼が行くのが適当だ(=適当)」
「彼は(明日)行く予定だ(=予定)」
など、これも色々ですが、「べし」の基本的意味はみな同じで、「当然・自信・高確率」です。

(3)「空を飛ぶべし」なら、
「間違いなく飛ぶ(=強い自信のある推量)」
「きっと飛ぶだろう(=強い自信のある推量)」
「飛べるはずだ(=可能)」
など、これも色々ありますが、「べし」の基本的意味はみな同じで、「当然・自信・高確率」です。

 結局、べしの基本的な意味は、「当然・自信・高確率」です。現代語の訳語は、文脈によって色々変わりますが、気にしなくて大丈夫です。

 古文助動詞は、「基本的意味」を考えれば簡単です。詳しくは、「さらば丸暗記、古文助動詞の見取り図」を見てください。

**「古文助動詞の『見取り図』」とは**
 古文助動詞については、ともすれば「意味」「接続」「活用型」を丸暗記させられがちです。それでは、古文に苦手意識を持つようになるのは当然ですね。

 でも、本当は、個々の助動詞の「意味」「接続」「活用型」には、結構、そうなっている理由や共通する考え方があります。それらを見つけられれば、助動詞の文法はとても分かりやすいし、覚えやすいのです。

 例えば、(1)助動詞にはそれぞれ語源があるので、それをみていけば、その助動詞の「意味」はよく分かります。
 例.過去の助動詞「けり」=「け」(過去:「来(く)」が語源)+「り」(状態:ラ変動詞「あり」が語源)

 また、(2)助動詞の「意味」が分かると「接続の仕方」も概ね決まってきます。また、それは現代語の場合とほとんど一致します。
 例.過去の助動詞「けり」は、現代語の過去の助動詞「た」と同じように連用形接続する。
 そもそも、用言の連用形には、「過去」や「確定・完了」といったイメージがある。そのため、連用形には、「過去」・「完了」などの助動詞が繋がりやすい(=「過去」の助動詞や「完了」の助動詞は、大抵の場合、連用形接続する)。

 そして、(3)助動詞の語尾の「語源」をみれば「活用型」も概ね決まってきます。
 例.過去の助動詞「けり」の語尾の「り」は、ラ変動詞「あり」が語源。こうしたことから、「けり」は「ラ変型」の活用をする。

 上記(1)(2)(3)のように、「理屈」で理解できれば、「けりの『意味』は過去、『接続』は連用形接続、『活用型』はラ変型活用」、と念仏のように唱えて覚える必要はなくなるでしょう。

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 本シリーズでは、上記のように、助動詞の「意味」「接続」「活用型」について、その理由や共通する考え方を示しながら、出来る限り、暗記や語呂合わせをしないでも分かるように、分かりやすく解説をしていきます。
 
 そして、古文助動詞の持つ特徴を、いくつかの「見取り図」にまとめて示すようにしています。

 是非、楽しんで古文の勉強をしていってください。

ソーシャル・コモンズ 代表 竹本治

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