石川県白山市出身の映画監督、島田伊智郎(しまだ・いちろう)さん、44歳。
初監督作品、「消えない虹」は、9月に東京や福岡で上映が始まり、10月14日から、イオンシネマ白山でも上映が始まりました。
映画の構想を練っていくうえで、きっかけとなったのは、1冊の本でした。
(島田伊智郎監督)
「ある日、ある一冊の本を手に取ったときに、18年くらい前にある地方であった、小学生の女の子が同級生を殺害してしまうという事件があった。被害者側のご家族のその後を取材されてまとめた本だったんですよ。そこには亡くなった妹さんの上にいるお兄さんお二人がいらっしゃって、その人たちがその後をどうやって生きているのか、そしてこれからどうやって生きていきたいのかみたいなことが書かれてあったんですけど、まずそこでその事件があることや、触法事件なるものを知り、これはなかなか大変だなと思ったので、作ることにした」
島田監督が映画の題材に選んだ「触法事件」触法事件は、刑事事件の中で、14歳未満の少年や少女が、法に触れる行為をした事件を意味します。14歳未満の少年・少女は、刑事責任能力がないとされ、罰しないことが刑法で規定されています。このため、逮捕されることもありません。
映画「消えない虹」のあらすじです。新聞記者の月野木薫は、13歳のときに友人の犯行により妹を亡くしました。自らの結婚式を控え、自分だけが幸せになることへの後ろめたさも感じながら、友人である岡田の子どもたちの世話をして、生活を送っていました。そんなある日、中学校の屋上から女子生徒が転落死する事件が発生。加害者の少女は友人・岡田の娘・茜でした。
映画では、加害者側と被害者側、双方の人間模様が色濃く描かれています。
(島田伊智郎監督)
「社会というのはやっぱり珍しいものに飛びつくし、例えば何を報道するかということ自体も、視聴率ということがあるじゃないですか、やはり視聴率がよかったり、あとは新聞が売れたりとか、雑誌が売れたりとか、なのでニュース性や速報性がないものは廃れていく。取り上げにくくなっていく。ということは一方であるなというのが現実だと思う。だからこそ、僕たち多くの人々は、一体それは本当は何だったんだろうと、そこには一体、何があったんだろうということをいつも問いかけて、きっとひょっとしたら明日、自分の周りに起きることかもしれない。他人事ではなくて、ただのニュースではなくて、新聞記事ではなくて、実際、本当にどこかで起きていることだから、それを自分たちでちゃんととらえて、何であるか、そして消化していく。できなくても向き合っていく、時には自分で気になったら追ってみる。そんなことが必要なのかなと思いますね」
映画「消えない虹」は、現在と過去に起きた2つの殺人事件を通して、癒されることのない傷を抱えた人々の希望と再生を描いたヒューマンドラマです。
島田監督は、映画に登場する人物の生きざまを見てほしいと考えています。そして自分たちが生きている世界の片隅には、さまざまな人がいて、その声なき声に耳を傾けてほしいと願っています。
(島田伊智郎監督)
「よく東京とかであるんですけど、電車に乗って、東京の人、みんな忙しいんですよね。時間でぎりぎりで電車に乗って乗り換えて。目的地に向かったりするんですけど、人身事故でとかで電車がよく止まって、正直、みんなイラッとするわけですよ。だけど、ちょっと待とうと。冷静に考えれば、そこでは1人の命がひょっとしたらなくなっているわけで、その人にも理由があったでしょうし、そうせざるを得ない。そこを一歩踏みとどまって、考えられるかどうかで違うと思う。だからなんかみんながそうなったら、ひょっとしたら、みんながそうなったら、残念な事件や事故が起こる前に、また何か、そこが変わるかもしれないし、だからこの人最近おかしいなって思ったら「大丈夫?」って一言声かけられるだけでも違うかもしれないし。何言っているんですかね?僕。映画を作っているはずなんですけどね。でもなんか、そうなんですよ。結局、そうなんですよね。表現とかなんとかじゃなくなってきてしまっている。果たしてそれが映画を作っている人間としていいのかどうかわからないですけど…」
映画「消えない虹」は10月14日からイオンシネマ白山で上映が始まり、10月21日からはイオンシネマ金沢で上映が始まります。
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