旧ジャニーズ事務所に在籍していたスタッフ2人が所属タレントに性加害を行っていた問題。これを報じたイギリスBBCの記者らが会見を開き、事務所側が警察に被害を届け出るべきだと訴えました。

■英BBC記者「東山氏の回答に非常にショックを受けました」

英BBC モビーン・アザー記者:
「告発した人が被害を警察に届け出ることの難しさを考えれば、被害者に対する補償や支援を担うSMILE-UP.社がきちんと対応すべきだと思います」

10日の午後、記者会見を開いたイギリスBBCのモビーン・アザー記者。

ジャニー喜多川氏による一連の性加害を告発するドキュメンタリー番組を制作した人物です。

3月、公開された続編では「SMILE-UP.」の東山社長へのインタビューでジャニー喜多川氏以外に事務所に在籍していたスタッフ2人が性加害を行っていたことが明らかになりました。

警察への情報提供について東山氏は、「自分たちには権限がない」と主張していましたが、これに対し、アザー記者は・・・。

英BBC モビーン・アザー記者:
「私は、東山氏の回答に非常にショックを受けました。彼は、加害者がまだ生きていると明言しました。そうであれば、きちんと調査すべきですし、それが警察の対応を促し、立件に繋がるのであれば、唯一の最善策になると思います」

「東山氏は告発した被害者に対する責任を負っている」と述べたアザー記者。

日本のメディアに対しても引き続きこの問題を追及していくべきだと訴えました。

■東山社長「当事者の人たちが刑事告訴をしたら全面的に協力する」

井上貴博キャスター:
時系列での経緯ですが、2023年3月に英BBCがジャニー喜多川氏の性加害を報道。調査結果が公表され、性加害が認定されたのが8月。社名変更は10月でした。

そんななか、2024年3月30日にBBCが続編を放送しました。そこで東山社長は、事務所スタッフ2人の性加害を認識していることを明らかにした上で、以下のように話しました。

SMILE-UP. 東山紀之 社長(BBCの取材に対し)
「法的なことを考えると、僕らには権限がないので、当事者の人たちが刑事告訴をしたら全面的に協力する」
(※BBCニュース「捕食者の影 ジャニーズ解体のその後」 2024年3月30日放送より)

この経緯を申し上げるべきで外せないのが、メディアの沈黙です。これは私たちにも大きな責任があるということは間違いありません。

「お前たちに報じる資格はない」と感じになっている多くの方の怒りも当然です。今回のインタビューもBBCの記者ではなく、本来であれば私たちがすべきところ。それができなかったということは、本当に恥ずべきことだと感じています。

■BBC記者「警察に届け出ることの難しさを考えればサポートする責任がある」

井上キャスター:
今回、東山社長の発言に、インタビューを行ったイギリス・BBCのモビーン・アザー記者は「被害者が警察に届け出ることの難しさを考えれば、サポートする責任がある」としています。

事務所が警察に被害を届け出るべきだという点を、BBCの記者は特に訴えたかったのだろうというのはきょうの会見でも見えました。

ホラン千秋キャスター:
心理的なハードルもあるので、被害者がどうしたいのか、きめ細やかに丁寧にヒアリングしてほしいですよね。

井上キャスター:
事務所側・会社側の一つの責任として、このスタッフ2人に対して厳正な処分をしたと発表していますが、実際にどういう処分に至ったのか、その発表は10日の18時現在も具体的にはありません。

そして、忘れてはならないのが補償をどうしていくのかです。まだまだ道半ばです。

3月29日の時点で、補償受付窓口への申告者数は973人います。補償金の支払者数は324人です。まだまだこれからどうしていくのか、個々の補償額は本当にこれでいいのか、そのあたりの綱引きも行われています。

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