俳優の井浦新、東出昌大が15日、東京・テアトル新宿で行われた映画『青春ジャック ~止められるか、俺たちを2~』公開初日舞台あいさつに登壇した。

 同作は1980年代を舞台に、故・若松孝二監督が名古屋に作ったミニシアター「シネマスコーレ」をめぐる、映画に魅せられ、映画愛に人生を「ジャック」された人たちの群像劇。独立プロの看板を最後まで下ろさず、映画を武器に世の中を撃ち続けた若松監督を、前作に続いて井浦が熱演。東出は「シネマスコーレ」の支配人・木全純治を演じた。

 舞台あいさつには、芋生悠、杉田雷麟、コムアイ、有森也実、成田浬、田中俊介、向里祐香、田中偉登、大西信満、笹岡ひなり、西本竜樹、高橋雄祐、碧木愛莉、柴田鷹雄、主題歌の中野ミホ、音楽の宮田岳氏、監督の井上淳一氏ら総勢19人が登場した。

 東出は会場を見渡し、「(演じた木全氏)ご本人がきょうも会場にいらしてるんですけど、のんびりとした雰囲気を醸している方で、そんな役を演じていたら僕もそれがうつって、のんびり現場で過ごしてたので、大変なエピソードとかも特になく、でもこうやってあったかい映画になって、お客さんの前で上映できてよかったです」と笑顔を浮かべた。

 “恩師”である若松監督を演じた井浦は「僕に映画づくりを教えてくれた若松監督は、いつも映画初日はこのテアトル新宿から始めていました」と思い返し、「監督が旅立って、『止め俺1』ができたときも、“もう若松プロダクションで皆さんに映画を届けることはできない”と思っていたのですが、そのときも僕らに満席の景色を見せてくれた。『青春ジャック』もこうやってたくさんの方たちが初日に駆けつけてくださって本当にありがたい思いでいっぱいです」と感謝を伝えた。

 続けて「俳優部の新しい、若い才能が集まり、キャリアを積んだ者たちがそれを支えて、新しい座組の井上組で本作を皆さんに届けることができるっていうことがなによりうれしいです。きっと皆さんが見終わって爽やかな気持ちになってると思いますのでぜひ一人でも多くの皆さんに届けられるように、応援してください」と呼びかけた。横に立った東出はそんな井浦の言葉に目をうるませていた。

 最後には「『止め俺3』を撮るならもう自分しかいないんじゃないかな(笑)」と続編への期待も語った井浦。「この先お届けできるかはわかりませんが、この座組で映画を作れてこうやってみんなが一丸となって届けられることを僕らは幸せに思っています」と熱い思いを語った。

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