第14回小説現代長編新人賞を受賞した「隣人X」(パリュスあや子著)が、上野樹里と林遣都の共演で映画化。タイトルを『隣人 X -疑惑の彼女-』とし、新宿ピカデリー他全国公開中。

 世界には紛争のため故郷を追われた惑星難民Xが溢れ、各国がその対処に苦慮していた。いち早く受け入れを発表したアメリカに追随するように、日本も受け入れを決定。人間の姿をそっくりコピーして日常に紛れ込んだXがどこで暮らしているのか、誰も知らない。Xは誰なのか、彼らの目的は何なのか。社会には言葉にならない不安や動揺が広がり、誰もが隣にいるかもしれないXを見つけ出そうと躍起になっている。そんな中、週刊誌記者の笹憲太郎はX疑惑のかかった柏木良子の追跡を始める。スクープの為に自身の正体を隠しながら徐々に良子へ近づいていく笹。ふたりは少しずつ距離を縮め、やがて笹の中に本当の恋心が芽生えるが、良子がXかもしれないという疑いを拭いきれずにいた。果たして良子は本当にXなのか?良子への想いと本音を打ち明けられない罪悪感、記者としての矜持に引き裂かれる笹が最後に見つけた真実とは。嘘と謎だらけのふたりの関係は予想外の展開へ…。

 良子と台湾からの留学生・レン(ファン・ペイチャ)はコンビニアルバイトの同僚で、レンは日本語を勉強しながらアルバイトを掛け持ちしており、外国人というフィルターを無自覚的にかけられ、差別や心無い言葉を投げかけられることもしばしば。しかし、何事にもフラットな良子はレンに対しても同様で、レンにとっては心置きなく悩み相談ができる頼もしく、心休まる存在だ。

 この度解禁された本編映像では、公園でお弁当を食べながら良子がレンの相談に乗るシーン。日本語を勉強中であるレンは、不慣れな日本での暮らしや、付き合い始めたばかりの日本人の恋人についての悩みを英語で語り、それに対して良子が英語でアドバイスをする。映像の最後には中国語で「祝你好運(グッドラック)!」と激励のコメントも。そんな良子の優しさに触れたレンが「グッドラックですね」とニッコリ笑顔になるという心温まる国際交流のシーンとなっている。

 上野の英語のセリフは非常に流暢な発音で、その会話にはまったく違和感がない。実は本作の撮影に挑むにあたり、およそ10人近い英語ネイティブの人たちや、英語が得意だというファン・ペイチャにセリフの発音・イントネーションをチェックしてもらい、会話に違和感がないかどうか、何度も練習を重ねていた。

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