国際協力機構(JICA)の青年海外協力隊の隊員として、アフリカのボツワナ共和国で支援活動にあたる一人の女性がいる。福井市出身の伊藤きららさん(28)。コロナ禍での無念の帰国を経て、2回目となる派遣で住民の気持ちに寄り添いながら、ごみの削減など環境保護に向けた活動を続けている。

伊藤さんは大学時代に旅行した東南アジアで、公害に苦しむ人たちの姿を目の当たりにした。「空気が排気ガスでくすんでいる所で暮らしている人たち、ゴミが道に散らばっている風景を見て、発展途上国で自分ができることがあるんじゃないかなと」。

3年前、青年海外協力隊の隊員として中央アメリカのコスタリカ共和国に派遣された。学校や地域の集会所でごみの分別方法や生ごみをたい肥に変えるコンポストの作り方の指導に当たった。「日本人のコンポストを私たちが取り組む必要があるのかというような厳しい目線もあった。自分はこうしたいんだという強い思いでいろんな人に声掛けして協力してもらった」。

熱心な働きかけで次第に住民とも打ち解け、活動が軌道に乗り始めた矢先、新型コロナウイルスが世界で猛威を振るった。「これから頑張るぞという時だった」。任期の半分を残して帰国を余儀なくされた。

帰国後、福井で働きながら次のチャンスを待った伊藤さん。今年、自身2回目となる派遣でボツワナ共和国へ行くことが決まった。アフリカ南部に位置する人口235万人の同国は、ダイヤモンドなどの天然資源が豊富で、アフリカの中では比較的豊かな国として知られる。

野生生物の保護にも取り組んでいて、大勢の観光客が訪れる中でごみが放置され、地下水が汚染されるなどの問題が起きている。ホツィレエネ・モラケ駐日大使は「ごみの中には人間にとって有害な物質が含まれている場合もある。子どもが病気に感染することもある。ボランティアの隊員には、地方のコミュニティに入って活動し、一緒に解決策を見つけてほしい」と伊藤さんの活躍に期待を寄せる。

伊藤さんは7月27日、両親に見送られ、福井から旅立った。「2年間の活動を終えたときに、悔いが残らないように自分の熱意を伝えて活動したい」。日本から遠く1万3,000キロ離れた国で、住民の健康と環境を守るチャレンジが再び始まった。

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