「殊に、ちょうどその頃から、流行性感冒が猛烈な勢で流行りかけて来た。」
青空文庫より『マスク』(菊池寛)を朗読しました。

新型コロナの驚異が襲いかかってきてもう2年近く経ってしまいました。
マスクやワクチンなどに対する考え方も様々ではありますが、この状況を早く収束させたい、という思いはみんな同じであると信じています。

この作品が書かれたのは100年ほど前、ちょうど「スペイン風邪」と呼ばれる病気が蔓延した頃でした。
その災禍で、体が弱かった作者自身が体験したこと、感じたことなどがつぶさに書かれており、なかなかに、100年前から人間の思考は変わっていないのだなぁ、と思ってみたり。
ですので、ここで言われている「流行性感冒」というのはインフルエンザではなくスペイン風邪です。

興味深かったのは作者がマスクをしなくなった頃にマスクをしている人を見かけた時に抱いた感情、これが詳細に自己分析され書かれていることです。
こうして細かに分析してそれを自覚することで、日頃から反射的な反応や感情的な言動が抑制できるような気がします。
SNSなどが定着し、物事は簡潔に、短文で表すことが良いとされる傾向にありますが、こうして細かく分析してそれをしっかり文章化しているのをみると、言葉というのはやはり紡いでこそ、という思いが湧いてきます。

最後に余談ですが、文中「風邪」を「ふうじゃ」と読んでいる箇所があります。
これは東洋医学での呼び方なのだそうで、ボクも今回はじめて知りました。
読み間違いじゃあ…ないんですよ。ふふ。

#菊池寛 #随筆

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