進まない、ウクライナとロシアとの停戦交渉は4回目を迎えています。そんな中、ウクライナ側からは停戦交渉への期待とも思える反応がありました。ウクライナ大統領府長官顧問は「確実に妥協の余地がある」とし、ゼレンスキー大統領も「現実的な協議ができているとの報告を受けている」としています。一方で進軍を続けているのがロシア軍。今ウクライナで何が起こっているのか?今わかっている事を専門家に聞きました。
■停戦交渉 前向きな声も
上村彩子キャスター:
反ロシアの動きが進んでいますが、都内の児童書専門店「クレヨンハウス」では、ロシアの絵本「大きなかぶ」と「ウクライナ」の絵本「てぶくろ」を平和の願いを込めて2つ並べて販売しているんです。実際に手に取って購入する方も多いそうで、関心が高いことがわかります。
実際にこの2つの国、ロシアとウクライナが停戦の糸口を見出そうと、停戦交渉を3月16日も行う予定となっていますが、ウクライナ側からは前向きな声も上がっているんです。
ウクライナのポドリャク大統領府長官顧問は「確実に妥協の余地がある」と15日、ツイッターで発信しました。さらにゼレンスキー大統領も「現実的な協議ができているとの報告を受けている」と16日声明を出しました。
停戦交渉の今までの流れです。まずはそれぞれの主張から見ていきましょう。
<ウクライナ側の主張>
・即時停戦
・ウクライナの全土からロシア軍撤退
<ロシア側の主張>
・ウクライナの非武装化
・ウクライナのNATOへの非加盟
・クリミア半島の主権承認
・親ロシア派の独立承認
双方が求めることに大きな隔たりがあるわけですが、停戦交渉1回目が行われたのが2月28日です。具体的な進展はありませんでしたが、交渉を継続することで双方が合意しました。
2回目が行われたのは3月3日です。こちらでも具体的な進展はありませんでしたが、“人道回廊”を設置することが合意されました。
その4日後の3月7日、3回目です。具体的な進展はありませんでした。
そして4回目が始まったのが3月14日です。要求に対して、追加作業や個々の定義を明確にするということで交渉が一時中断しました。この、「個々の定義」というのは、ウクライナ・ロシアそれぞれの主張のことですね。この定義を明確にするというのが4回目で初めて出たわけです。
そして翌3月15日に停戦交渉再開ということで、4回目の交渉は2日連続となりました。さらには、16日夜に停戦交渉の予定がされているということで、3日連続の交渉となるかということですが、4回目の交渉で進展がどのようにあるのか注目されています。
ホラン千秋キャスター:
両国が求めているものを比べてみると、ウクライナは基本的に、元あったウクライナを返してくださいという内容で、ロシアを変えようとしているわけではないんですよね。ロシア側はウクライナを変えようとしている。この中でゼレンスキー大統領は「現実的な協議ができているという報告を受けている」という話あったんが、停戦協議はどこが焦点になりそうですか?
笹川平和財団 畔蒜泰助(あびる たいすけ)主任研究員:
まず一番難しいのは、やはりクリミアの問題とドネツク・ルガンスクの問題だと思うんです。ここは多分、一旦脇に置いているんだと思うんです。
その上で、おそらくNATOの非加盟の問題、これは実はウクライナのゼレンスキー大統領も既にNATOには加盟できないと、もうわかってるということを発言していますので、問題はこのNATOからのいわゆる中立化の問題と、「非武装化」というところ。非武装化の定義をどういう形にするのかというとことがおそらく今まさに協議の中心になってるんじゃないかと。
ロシアの国営テレビがメジンスキー大統領補佐官、今回ロシア側の交渉団の代表を務めている人間ですけども、彼の発言を報じていまして、まさにこの非武装化の点に関しては例えばウクライナ側から、オーストリア型のパターン、あるいはスウェーデン型のパターン、いろいろ提案が出ているというような発言がありましたので、まさにここのところを今、議論をしているところなんだと思います。
ホランキャスター:
それぞれの型を具体的に説明すると難しい部分もあるのかもしれませんが、非武装化に関してはそれぞれ歩み寄る余地があるということなんですか。
畔蒜主任研究員:
NATOの中立化、その場合、どういう形でウクライナの安全保障を担保するんだと。当然、一定の軍事力を保有するというのは必要でしょうから、その場合は非武装化してもウクライナ軍の武力をこの文脈の中でどこまで容認できるのかという議論。ここはまさに、かなり具体的に進んでるんじゃないかと思うんですね。ですからここのところに関しては、かなり進展があるんだろうと思いますね。
■首都キエフは「困難で危険な瞬間」外出禁止令も
上村キャスター:
そして交渉が行われている間も首都キエフへの攻撃は続いています。キエフのクリチコ市長は3月15日「困難で危険な瞬間を迎えている」と自身のSNSに投稿。3月15日午後8時~17日午前7時の35時間の外出禁止令を発令しました。
ではロシア軍はどれぐらい進軍しているのでしょうか。北西からのルートはキエフまで約15キロのところまで、北東からのルートでも約20キロ~30キロのところまで進んでいるんです。外交・安全保障政策に詳しい明海大学の小谷哲男教授は、「ロシア軍が進軍していない理由は、ウクライナ軍の抵抗もあるが、燃料や物資などの補給をしているから。もし態勢を整えた場合、1週間から10日間で、キエフは包囲される可能性も」と話しています。
南波雅俊キャスター:
キエフ制圧についてはどのようにお考えですか。
畔蒜主任研究員:
包囲と制圧は多分違うんだと思うんですね。おそらく交渉が続いている間は包囲はしても本格的な軍事侵攻というのは私はないんじゃないかと思ってます。
(16日18:45)

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