@落語 #藤本美貴#品川庄司#大久保佳代子「海外移住問答」「除籍のススメ」
「海外移住問答」
…えぇ、どうもどうも。今日はですね、「夫婦の会話」という人類最古の情報戦争をテーマに一席おつき合いをいただきます。
最近はね、「海外移住したい」なんて言うのが一種のファッションみてぇなもんで。
パスポートは茶色でも、気分は青空パリジャンですよ。成田でコーヒー飲んでるだけでフランス気取り。
だけどもね、いざ住むとなると…こりゃ話がちょっと違ってくる。
登場人物はね、芸能界の“ミキティ”こと藤本美貴さんと、ご主人の庄司智春さん。
このおふたり、ドライブ中に「海外に住むかどうか」って話になった。まぁ、ドライブ中ってのは危ねぇ時間でしてね、目的地に着く頃には夫婦仲も交通事故寸前ですよ。
庄司さんが聞くわけだ。「お前さ、海外住みたいって、ちょっと思ってんじゃねぇの?」
そしたらミキティ、笑顔もなくピシャリと「言ってるだけだよ」って。言ってるだけ。
いや、こえぇな。希望も夢も、ミキティの前ではカーナビより冷たく否定される。
で、庄司さんがさらに提案するわけだ。「じゃあさ、2拠点生活ってどうよ?」
2拠点生活。聞こえはいいけど、あれね、要するに「どっちにも馴染めずどっちにも不満」ってやつですよ。
日本に帰ってくれば「あぁ、やっぱりハワイが良かった」
ハワイに戻れば「日本の温泉が恋しい」
挙げ句の果てには、「味噌汁がぬるい」ってハワイの海にクレーム言いだす。
「じゃあどこがいい?」ってなって、ミキティが挙げたのがロサンゼルス。
ロスね、映画の都。夢の街。でも夫婦揃って「怖い」って。
夢の国にしては警戒心がすげぇ。夜の渋谷じゃなくてロスにビビってんの。
で、庄司さんが「じゃあ、ハワイは?ハワイでのんびりしようよ」って言ったら、
ミキティが「ちょっと海外感ないよね」って言いだした。
…なにそれ、海外に“海外感”を求める時点で日本人の業ですよ。
わざわざ日本から出て、「海外っぽさ」を味わいたい。
だけど英語はイヤ、食い物も無理、虫も怖い、チップも不満。
結局、日本語通じて白米出てくる国が“理想の海外”なんですよ。
でね、ミキティ曰く「ハワイって誰ともしゃべんなくても生活できちゃうじゃん?」
それってね、逆にスゴいことなのよ?どんだけ日本化してんだって話で。
ハワイがんばってんの、日本の次に日本みてぇになろうとしてんの。
ハワイ行って初日に「おい、納豆どこ?」って聞けるの、日本人だけよ。
庄司さんも「いや、ハワイなめんなよ」ってフォロー入れるけどね、
そもそもハワイを“海外初心者向けテーマパーク”だと思ってる時点でアウト。
あそこ、物価も高けりゃローカルルールもキビしい。
しかも現地の日本人が一番厳しい。「ハワイに甘えるな」って言ってきやがる。
で、ニューヨークは?って言えば、ミキティ曰く「生きていける気がしない」
サンフランシスコは?「坂がつらい」
結局ね、この会話、着地しねぇんですよ。どこに行くにも「でも」が付く。
「でも寒い」「でも高い」「でも遠い」
しまいには、「でも成田がイヤ」とか言いだす。そこもう関係ねぇだろって。
──結局、何が言いたいかってぇとね、
「移住」と「妄想移住」はまったく違うってことよ。
妄想移住ってのは、ビザもなし、現地生活もなし、言葉の壁もなし。
SNSに「ハワイから朝食です」って写真だけアップする。
後ろに写ってるスーパーの袋は成城石井。
実際に住むってのは、ゴミの分別から住民票から、そして近所のジムのおばちゃんとの関係まであるわけよ。
夢じゃねぇの、生活なの。だからこそ面白ぇのよ。
え?ウチのカミさん?海外移住?
そりゃ無理ですよ。
彼女、成田どころか「町内の端っこ」で不安がるんですから。
──「ねぇ、あそこのスーパーの先、空気違わない?」って。
たぶん地球の重力が違うと思ってんだ、あれ。
まぁ皆さん、海外移住ってのはね、夫婦関係と一緒で、
“行ってみないと地獄か天国かわからない”ってもんですよ。
…というわけで、本日の結論。
海外に行くかどうかより、まず「この人と行きたいか」を考えなさいってね。
おあとがよろしいようで

2幕目

「除籍のススメ」
いやね、近ごろは「学歴」っつうのが、また話題になってましてね。
昔は「東大出てても馬鹿はいる」なんて噺で笑いも取れたんですが、今じゃ「出たって言ってないのに出たことになってた」って、新手の落語かこれは。
で、今回は静岡の伊東ってとこ。温泉とサンマと市長が熱い。
田久保って市長さんがね、「大学出ました」って言って当選したんだけど、よくよく調べてみたら「いや、出てねぇじゃねぇか」って話になってきてね。
これがまぁ、報道が出て、ネットが炎上して、まるで温泉街が火事場のよう。
で、市長が会見開きまして、「弁護士と相談中です」って。
いや、そんなもん弁護士に相談しなくたって、自分の卒業証書ぐらい、家の押し入れかなんかに入ってんだろ。なんなら「卒業アルバム」とかで確認できる。
「卒業してれば載ってる、してなきゃ写ってない」──あれ、どっかで聞いた理屈だな。
で、MCの石井アナが言うわけですよ。「チラ見せの卒業証書、あれは一体なんだったんだ」ってね。
そりゃあれだ、パチンコ屋のドル箱と同じでね、「見せ金」。
中身はないけど、ありそうに見えるってのがポイントなのよ。
タレントの大久保佳代子さんが「まじでこの問題いつまでやってんだよ」とバッサリ斬る。
これは名言ですねぇ。「もう風呂も長湯すぎて、のぼせてきた」ってことだ。
でもね、大久保さん、それがニュースってもんでね。のぼせた人の頭が冷えるまで、誰かが団扇であおいでなきゃなんないの。
で、そのうちに出てきたのが「公職選挙法違反の告発状」。
これがまた、伊東署が「受理しました」と。
受理したのはえらいが、その後はどうするんだ。
まさか「書類送検の書類だけ、卒業証書の隣に並べておしまい」なんてオチじゃないだろうな。
で、会見で市長は堂々と話すけど、肝心なところになると「整理中です」って逃げる。
こちとら「伊東温泉整理整頓協会」じゃないのよ。整理する前に説明しなさいって話だ。
で、フリーアナの中村仁美さんが「1番大事なところだけ全部隠されてる」って言う。
そう、それまるで「寿司屋に入ったらシャリだけ出てきて、ネタが隠れてる」みたいなもんだ。
そんな寿司屋、二度と行かねぇ。
で、ユージさんがまたいいこと言う。「誠意の意味をもう一度問いたい」。
これは深いよ。
最近の政治家ってのは「誠意」ってのを「しゃべるスピードを落とすこと」だと勘違いしてる。
ゆっくり喋ったら誠意あるように見えるってんなら、俺だって「ご・め・ん・な・さ・い」って一文字ずつ10秒かけて言や、全罪免除かい。
でね、市長の言い分としては、「書類の記載は職員が勝手にやった」とか「昔のことで記憶があいまいで」とか、そりゃまぁ聞いたことあるような言い訳が次から次へと出てくる。
しまいには「当時は大学に通った気持ちがあった」とか「卒業式には行ってないけど、気持ちは晴れだった」とか言い出すんじゃないかと、ハラハラする。
で、結局のところ、辞職するって言ってる。でも、出直し選挙には出るって。
おいおい、辞める意味どこいった?
泥棒が「財布返します」って言ったあとで、「でも明日もう一回盗みに行きます」って宣言してるようなもんじゃねぇか。
ここまでくると、市長のポストってのは「自分を見つめ直すための場所」なのかね。
「市長に就任して、自己発見の旅に出ました」ってか。
そのうち「学歴も経歴もフィクションです」と開き直って、Netflixでドラマ化するんじゃないかと。
でね、最終的に我々は思うわけですよ。
もう「大学出たか出てないか」なんて話はね、履歴書じゃなくて「卒業証書ガチャ」で確認する時代だと。
カプセル開けたら、ハーバードとか慶應の卒業証書が出てくる。
「うわー当たりだー!」って言って、それ持って市長選出るやつが出るかもしれない。
だけどね、忘れちゃいけないのは、市民が選んだってことなの。
経歴を見て、顔を見て、「この人に任せよう」って思ったのは市民なんですよ。
だから、市民の目が試されてんの。
それに気づかずに「またあの人に入れちゃった」ってなったら、それこそ今度は「有権者の除籍問題」になっちまうよ。
ま、最後に一つ忠告を。
「学歴」ってのは、あってもなくてもいいけど、「嘘」はだめ。
それが「市長」って仕事で一番いけないことなんだから。
だからこそ、あたしはね――
「伊東の温泉」じゃなくて「真実の湯」に一度でも浸かってから、選挙に出直してほしいと思うんですよ。
…あ? その湯、もう枯れてる?
そりゃまた、話が長くなりそうだ。

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