卓を囲む家族を描いた。
私が彼らを描いている間も、彼らは生活を送っている。
服も料理もいつも同じであるはずはないし、
物だって動かしたり片付けたりしてしまう。
静物画のモチーフを組むように、それらを固定することはできないのだ。
ドローイングや写真をコラージュしたり
剥がすことを繰り返すことによって、
家族の生活の痕跡を表現したいと思った。
(沖 綾乃)
食卓に置かれた事物も、周辺に座す家族も、それぞれが途切れ途切れである。
しかし、その断片たちは微妙に振動しながら存在のリアリティーを奏でる。
ところどころに生じたすき間は、作者が物質感の強い粗い岩絵具とコラージュで埋めて行く。
その作業で壊れかけていた画面の調和が保たれるのだ。実に巧みである。
観る者は、そうした時のかけらを拾い集めながら、
忘れかけていた日常をつなぎ合わせてみたらどうかと誘われているかのようだ。
そしてふと思うのだ。
作画技術の巧みさと、生きる上での巧みさが一致しないのが、
画家の悲しい宿命であり誇りでもあるのだと。
(担当教員 山本直彰)
令和元年度 武蔵野美術大学 卒業・修了制作 優秀作品展
SELECTED WORKS from Musashino Art University Degree Show 2019
主催:武蔵野美術大学 美術館・図書館
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【学内限定公開】https://mauml.musabi.ac.jp/museum/events/16789/
【一般公開】https://mauml.musabi.ac.jp/museum/events/16847/

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