トヨタ自動車の4月から6月までの決算は、売上高、最終利益ともに過去最高となった。
トヨタが4日に発表した2021年4月から6月までの連結決算は、売上高が7兆9,355億円、最終利益は前の年の同じ時期の5.7倍の8,978億円で、いずれもこの時期としては過去最高となった。
北米や日本などで新車販売台数が回復し、収益が改善したという。
一方、通期の業績予想は東南アジアでの部品供給の滞りや、半導体の供給不足などを考慮し据え置いた。
今後については、「半導体だけでなくコロナの影響含め、見通しがまだなかなか立たない」としている。
このニュースについて、日本の製造業にくわしい、早稲田大学ビジネススクール教授の長内厚さんに話を聞く。
三田友梨佳キャスター「トヨタの好決算を、長内さんはどうご覧になっていますか?」
長内さん「今回のトヨタの決算の資料の中では、アメリカで急速に回復した新車需要をどうやって取り込んだのか、そこについて触れていますよね。新車販売は在庫があればすぐに売ることができますけれども、非常に車というのは複雑な製品ですので生産に時間がかかります。すぐに作ってお客さんに売るというのは難しい商品なんですけれども、そんな中、トヨタでは、工場での生産から販売店に車が届くまで、あるいは販売店同士が情報共有や協力をする体制を作ることで、できるだけ迅速にお客さんに車を届けるということを実現しました。こうしたトヨタの『ジャスト・イン・タイム』といわれる日本的な経営の良さというのが、今回非常によくでてきたのではないでしょうか」
三田キャスター「その日本的な経営というと、具体的にはアメリカや中国とはどう違うんでしょうか?」
長内さん「今の大企業の経営は、分業というのが原則基本になっていますけれども、日本と中国やアメリカではちょっとやり方が違うんです。日本ではお互いに協力し合う、分業はしているんだけれども、ほかの人が何をやっているのかちゃんとケアをして場合によっては手伝ったり協力する、こういうすり合わせ『インテグラル型』というやり方をするんです。そうすると、非常に臨機応変な対応や柔軟性が生まれます。一方、アメリカや中国が得意なのは、完全に分けてしまって、人のやり方には口を出さない。こういうやり方を『モジュラー型』といっていて、平時には非常に効率がいいので、同じ物を大量に作るときには向いているんですが、一方で柔軟な対応、変化に対する柔軟性みたいなものはちょっと欠けているんですよね」
三田キャスター「日本は製造から販売まで受け持つ現場は違っても、お互いがしっかりとつながっているわけですね」
長内さん「そうですね。日本はかつてのオイルショックや震災などそういう経験を経て、この日本的なものの作り方というのを鍛えてきました。近年では、日本的な経営というのが自信をなくしている側面もありますけれども、このトヨタの好決算は、日本のものづくりにもう一回自信を持たせてくれるヒントがあったような気がします」
三田キャスター「自動車産業は中小部品メーカーを含め裾野(すその)が広いですが、サプライヤーや販売店での連携をさらに深めることで、不測の事態への備えがより強いものになるようです。感染拡大の脅威が依然としてある中、強靱(きょうじん)なサプライチェーンが成長のカギといえそうです」
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