監督:松本花奈
出演:真広佳奈 / 小河原義経 / アベマサヤ(Utopia League)
音楽 : Utopia League

2016年3月に結成
Vo.アベマサヤとVo,Syn,Glo,Gt.ヤポの男性、女性のツインボーカルに加え、様々なジャンルで活躍してきた楽器隊が織りなす真のジャパーニーズ・ポップバンド。映画の世界観をライブハウスへ

ビールが飲める歳になって、かつて僕が憧れた大人になれているか振り返ってみると必ずと言っていい程青かった時代を思い出す。
誰を好きでいるかよりも好きだと言える人がいる事に必死になっていたあの頃の自分。くっついては離れて、離れてはまたくっついての繰り返しを笑って話していたあの頃の自分。恥ずべき事ながら、あんなにパワーのいる事をよくやっていたなと我ながら少し感心する。
それでも確かに青いながらにとてつもなく愛した人もいた。それが偶然にもこのショートフィルムにおいての2人の関係性に被ってくるのだ。

特に何も接点のなかった、僕が学校をサボった日にたまたまマクドナルドにいた女の子。少し茶色い髪を後ろに束ねて、携帯をいじるでもなくシェイクを飲んでいたのを今も覚えている。制服を着ていたからすぐにこの人もサボりだと分かった。
不思議な人だと思いつつ完全に一目惚れだった僕は勇気を出して話しかけて、なんとか次に会う約束を取り付けて、時間をかけて時間をかけて僕がアナタを好きだという事を伝えたのだけれど上手くはいかなかった。
年が変わると同時に遠くへ越してしまうという。文章にしてみるととてもベタな展開だけれど、あの頃の僕にはどうしようもない事だった。今思えばそれでも好きだと伝えれば良かった。それでも絶対に会いに行くと伝えれば良かった。だけどそれが出来なかった。

出発の日に見送った車の中で泣きながら「またね」と言ってくれた顔が忘れられない。
その人とのお話はまだ続くのだが、それはまた別の機会に話そうと思う。結果だけ記すと、その人とはもう2度と会うことができなくなってしまった。

だから、と言ったら語弊があるかもしれないが最後のシーンで電車に乗るリコを追わなかったユウスケの気持ちは痛いほど分かる。あの時分の男の子は無理だと思ってしまうと勇気が出ないのだ。漫画やドラマでは素晴らしい人格者が素晴らしい青春を送っているが、そんなものは絵空事だし妄想の類だ。このショートフィルムにおいてのユウスケがリアルな青春時代だと僕は思う。
決して気持ちの良い終わり方ではないだろう。けれど、そういう事を経験して初めて、ビールを片手に笑いながら話せる今があるのだ。今日までの僕に関わった全てのものに感謝が出来るのだ。そしてまた、新しい人を好きになるのだ。
あの2人が今後どうなるのかはもう皆様の想像力に頼るしかない。僕は自分の経験から、きっともう2度と出会う事は無いのだろうなと想像している。そしてきっと、大人になった時には、あの頃は…と言ってビールを飲みながら懐かしむ日が来るのだろうなと想像している。
ざっくりとしてしまうが、そういう意味でのBeer。なぜお酒の歌で高校生?と思う方もいるだろうが、是非この文を読んだ後にもう一度目を通して欲しい。

2017年8月2日(水)配信「Lucky Boy & Lucky Girl 」

[配信曲]
01. Lucky Boy & Lucky Girl

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