[Medical Student plays Chopin] -No.4-
Chopin : Etude in C minor op.10-12
Masao Takahashi : Concertpianist, Bachelor of Medicine
髙橋音楽事務所 代表 : 髙橋 真生 (ピアニスト、医学学士)
15th February, 2000
Ehrbar-Saal (Prayner Conservatorium) in Vienna
2000年のショパンコンクールに応募する為に録音したものですが、全く、酷い演奏で、当時の私でも「ビデオ審査で落ちる」と思い、ショパンコンクールに応募することを締め切り直前まで、躊躇いました。
エチュード2曲、ノクターン1曲、バラード(バルカローレも含む)1曲、スケルツォ1曲の全5曲を固定カメラで撮影したビデオテープを出場の申込みの際に送ることが条件でした。
小学生の頃には、「革命のエチュード」に憧れましたが、医学部を休学し、1年程、ウィーンで音楽を学んだこの当時の私には、音楽的な深さがあまり感じられない上に、op.25-6 と同様に苦手なエチュードでしたが、プログラムの構成を考えると、私が強く共感でき、得意としていたop.25-12 にすれば、その後のノクターン第13番op.48-1 といずれも同じc-moll ですが、次のノクターンに繋がらず、op.25-12 で締めくくられてしまうため、op.10-11 と、このop.10-12を仕方なく、演奏することにしました。レコーディングのこの日、演奏する直前まで、暗譜すらできなかった程度しか練習できず、とりあえず、最後まで弾けた、と思ったくらいの演奏です。左手を全く、制御できず、右手をその速さに無理矢理、合わせなければならないという、右手と左手が完全に分かれている、典型的な悪い演奏と言えます。右手が奏でる旋律に、左手が自由に速さもタッチの強弱も音色も変えることができるようになるまで、一音一音を確実に弾けるようになるまで練習して下さい。
国際コンクールの予選で落選する人達にありがちですが、最初と最後の81小節目からの左手の休符をCrotchet と捉えてしまい、16th Note を「2、4、4、4」と弾くべきところを、「4、4、4、2」と16th Note の残り二つを次の小節の16th Note と繋げてしまい、結局、音が二つ多くなり、拍が変わってしまうというミスをする人達がいます。ここだけは教授に指摘されていた通り、楽譜通りの音の繋がりを捉えられるように歩いているときも体でその音の繋がりを感じるように意識していました。両手が16th Note を「平行して奏でる部分」の私のこの演奏を聴いて「何かおかしい」と感じる日本人は多いと思います。日本では通用しても、世界では通用しないことですので、ここだけは楽譜を何度も確認して、1拍目がどの音なのかを意識して演奏してください。私のこの演奏では、その部分を強調しすぎていますが、国際コンクールのような「競争」で「勝つ」ことだけを考えていた当時の私の音楽に対するアプローチを「それではいけない」と恩師にいつも指摘されていた通り、音楽性の欠片も感じさせない上に、私の基礎的なテクニックが確立されていないことをアピールするだけの「演奏」とは呼べない短たる「指の運動会」で、左右が合わず、転び転び、何とかゴールに辿り着いただけのものです。
典型的な「悪い例」として、ご参考になれば、と思います。

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